特集:お米と日本人 ②文化資源としてのお米 シリーズお米と日本人、二回目の今日は、お米が日本で生きた長い歴史の中で、どのような影響を日本人に与えてきたのか、考えていきたいと思います。 そもそも稲作が始まったのは中国の長江流域と言われます。日本には縄文時代後期頃に伝わったと考えられていますが、ここで少しマメ知識。この稲作が始まった時期を特定するの手法の一つにプラント・オパール分析というものがあります。プラント・オパール(植物珪酸体)とはイネ科の植物などに多く含まれているガラス成分で、植物が枯死し腐食した後も長い間地中に残り続けます。またこの物質は植物ごとに異なる形を持つ特徴があるため、これを調べる事で過去のどの時代にどんなイネが生息していたかを知ることができます。田んぼで稲刈...2018.06.19 11:00地域学の種子
特集:お米と日本人 ①現状分析編 今日は皆さんもよくご存じ、お米に関する話題です。実は大学の授業でお米について深く考える機会がありました。現在の消費量や都道府県別の生産量、歴史など様々な情報を授業と統計データからかき集め、最終的に「資源」と「主体」の結びつきや「資源」が環境や地域に与える影響について考察するレポートだったのですが、これがなかなか奥が深い。この授業を受けてから、米に限らず様々な食材がもつ価値や意味を気にするようになってしまいました。今回はそんな思いを皆さんと共有したく、コラムにしようと考えた次第です。 さて、皆さんは毎日お米を食べていますか? おそらくほとんどの方は毎日一度は白いご飯をお茶碗によそって、食べておられるでしょう。しかしご存知の通り、日...2018.06.12 11:00地域学の種子
脱炭素社会へ 実は僕の専門は環境系です。大学では自分たちの周りに広がっている様々な環境とどのように共生していくのか、その方法や理論を学んでいます。その中で、地球温暖化について少し深堀し調べる機会があったので、今回はそれについてのお話です。少し長丁場になりますがお付き合いください。 まずは地球温暖化の現状と、今後百年間の予想です。下の写真は西暦700年から2100年までの気温変化の観測と予測が載っています。右側の濃い赤色になっている部分が今後の予測なのですが、今後100年足らずで急激な温度上昇が予想されていることが分かると思います。地球温暖化に懐疑的な人の中には地球の歴史上、今よりももっと温暖な時期はあったため、今回の温暖化も大して大騒ぎする必要...2018.06.04 11:37グローバルな地域学