特集:地域エネルギー自治とは② 二回にわたって、僕の研究テーマについて特集するシリーズ「地域エネルギー自治とは」。前回は日本の電力事業の歴史と地域エネルギー自治に関連する先行研究について整理しました。2回目の今日は、前回整理した電力事業の歴史と「地域エネルギー自治」に関する先行研究を踏まえて、「地域エネルギー自治」的な自治とは何か、そしてエネルギー自治の先にある地域の姿はどのようなものなのか、考えていきたいと思います。 まずは、地域エネルギー自治の根幹となる地域エネルギー政策について、国内先進事例といわれている長野県の政策を確認し、整理していきます。1.地域エネルギー政策 地域エネルギー政策の先駆けとしてよく紹介されるのが長野県の環境エネルギー戦略です。僕は三...2020.06.11 09:00地域学の種子地域創造ってなんだろな
地域にとってより良いエネルギーとは…? 学部三年生になって毎日のように考えている事。それは「地域にとってより良いエネルギーの在り方とは何なのか」という事です。四年生まで三ヶ月を切る今、卒業研究にもかかわってくる事なので、そろそろ一つの結論を導き出したいところですが、調べれば調べるほど分からなくなるのが世の常。一つの解というものが存在しない問題であるだけに、苦労は絶えません。 今回はそんな僕の悩みを皆さんと共有したいと思います。皆さんもこれを読んで、より良い地域のために、地域社会や国際社会の持続的発展のために、エネルギーという視点から一緒に考えてみませんか……? φ(..)2020.01.14 01:30つぶやき地域学の種子
特集:地域エネルギー自治とは① 皆さんはある言葉の定義づけを行った事はありますか? 言葉の定義と言うものは大学での学びにおいて非常に重要です。特にレポートや論文を書く上では、自分が使用する単語の定義をしっかりと整理したうえで、議論を展開しなければなりません。言葉の定義が曖昧なままでは論文全体を統一する軸が脆くなり、説得力も弱くなるからです。僕の専門である「地域学」の分野ではこの「言葉の定義」が、しばしば講義で話題になります。 例えば「地域」という単語です。「地域」と言われて皆さんはどれくらいの範囲を創造されるでしょうか。僕が「地域」という際は多くの場合、市町村レベルの基礎自治体が治める範囲を指します。ところが人によっては都道府県単位で使ったり、北陸や関西、本州な...2020.01.03 09:00地域学の種子グローバルな地域学地域創造ってなんだろな
信州はエネルギーシフトする~長野県の地域エネルギー政策~ 中々週一本以上という投稿目標が達成できておりませんので、今週は「エイヤッ!」という気持ちで二本投稿してみます! 以前、長野県飯田市の太陽光発電事業に関するコラムを書きましたが、今回はそれにも少し関連して、長野県の行政の取り組みや、長野県を支える様々なアクターについて、「信州はエネルギーシフトする」(著:田中信一郎)という本を基に紹介したいと思います。コラムの内容は三分の一ほどは本の内容、残りは本の内容を踏まえた僕の考え、という配分になっています。1.エネルギーシフトとは この本の筆者、田中信一郎氏は2011年に特定任期付職員として長野県に採用された方です。彼は長野県で2011年4月に新設された環境部温暖化対策課の企画幹(長野県独自...2019.07.23 01:29地域学の種子地域学な本棚
バイオマス利用先進自治体まとめ(概要版) 日本で地域活性化の手段の一つとして注目を集めているバイオマス。今回はその中でも岡山県西粟倉村、真庭市、北海道下川町の三つの事例を紹介していきながら、日本のバイオマスの展望を見ていきたいと思います。なお、今回のタイトルに「概要版」とある通り、これから書く内容は、各自治体の総合計画(地方自治体の行政運営上、最上位にあたるもの)などからザーッと情報の上澄みを抜き取っていったものになりますので、その点はご承知おきください。より詳細な部分については別のコラムで、他の自治体の取り組みと比較研究する際に掘り下げていきたいと思います。0.そもそもバイオマスとは まずはバイオマスの定義についてです。国が定めるバイオマス活用推進基本法では、バイオマス...2019.07.04 09:00地域学の種子
地域分散型エネルギーシステムとは 今世界中でエネルギー分野の変革期が到来しています。これまでのような枯渇性資源に依存した電力システムではなく、持続可能で環境に配慮したエネルギーシステムがヨーロッパ、特にドイツを先頭に整備されようとしているのです。日本でもFIT(固定価格買取制度)の見直しや電力会社の送配電部門の分離など、電力システム改革が進みつつあり、関連法の整備も進行中です。今現在僕も数冊の本を読みながら勉強中ですが、今回はその中でも「地域分散型エネルギーシステム」とい本を読んだうえでのコラムになります。 今回はの大きなテーマはエネルギーシステムです。キーワードは「分散型エネルギー」。これまで国の事業であった電力事業が地方自治体の事業に代わっていくのではないか、...2019.06.18 11:00地域学な本棚地域学の種子
エネルギー自治最前線!~長野県飯田市~ 日本は環境分野で大きく世界に後れをとっているというのはこれまでにも言ってきたとおりですが、そんな中でも国内には再生可能エネルギーの導入などに積極的に取り組み自治体がいくつかあります。今回はその中でも特に有名な長野県飯田市の事例をまとめてみたいと思います。 そもそも、僕がこの長野県飯田市の事例に行き着いたのには自分自身の関心があります。元々地域づくりに関心があった僕は大学で環境分野、特にエネルギー関連と「地方創生」の繋がりに関心を持ち、再エネ等の導入によって地域が環境的にも経済的にも持続可能性を高めることができるのではないかとの考えを持つに至りました。そんな中、とある授業で長野県飯田市の事例が紹介されたのです。最初に授業で聞いた時は...2019.06.06 14:31地域学な本棚地域学の種子地域創造ってなんだろな
特集:お米と日本人 ②文化資源としてのお米 シリーズお米と日本人、二回目の今日は、お米が日本で生きた長い歴史の中で、どのような影響を日本人に与えてきたのか、考えていきたいと思います。 そもそも稲作が始まったのは中国の長江流域と言われます。日本には縄文時代後期頃に伝わったと考えられていますが、ここで少しマメ知識。この稲作が始まった時期を特定するの手法の一つにプラント・オパール分析というものがあります。プラント・オパール(植物珪酸体)とはイネ科の植物などに多く含まれているガラス成分で、植物が枯死し腐食した後も長い間地中に残り続けます。またこの物質は植物ごとに異なる形を持つ特徴があるため、これを調べる事で過去のどの時代にどんなイネが生息していたかを知ることができます。田んぼで稲刈...2018.06.19 11:00地域学の種子
特集:お米と日本人 ①現状分析編 今日は皆さんもよくご存じ、お米に関する話題です。実は大学の授業でお米について深く考える機会がありました。現在の消費量や都道府県別の生産量、歴史など様々な情報を授業と統計データからかき集め、最終的に「資源」と「主体」の結びつきや「資源」が環境や地域に与える影響について考察するレポートだったのですが、これがなかなか奥が深い。この授業を受けてから、米に限らず様々な食材がもつ価値や意味を気にするようになってしまいました。今回はそんな思いを皆さんと共有したく、コラムにしようと考えた次第です。 さて、皆さんは毎日お米を食べていますか? おそらくほとんどの方は毎日一度は白いご飯をお茶碗によそって、食べておられるでしょう。しかしご存知の通り、日...2018.06.12 11:00地域学の種子
地域創造の先にあるもの 高校の頃、学校のカリキュラムや先生に恵まれた僕は自分の住んでいる地域や地方創生について深く考えることができました。その中で、いつの頃からか「地方創生後の世の中がどうなっているのだろうか」と思いを馳せるようになり、同時に地方創生後のビジョンについて考え始めました。単に一つの地域の活性化を目指すのではなくもっと広い視野で、日本中あるいは世界中の地方創生が成功した後世界はどうなるのか、どうなるべきなのか気になったのです。さすがに受験期になると考える余裕はなくなりましたが、それでもいつも心のどこかに引っかかっていました。「地方創生した後の事って案外語られることが少ないんじゃないかなぁ」と。 少し話はそれますが、大学に入ってから僕は「地方創...2018.05.19 11:00グローバルな地域学地域創造ってなんだろな地域学の種子